いざ、フルートを買おうと調べてみると、分からない単語がたくさん出てきますね。
頭部菅、足部管、などは漢字から想像できますが、
「オフセット」や「Eメカ」は「?」となってしまいます。
ここでは、フルートのパーツの名称とともに、仕組みの名称も一緒に解説します。
- フルートのパーツの名称
- オフセットとは
- インラインとは
- Eメカとは
- カバードキィとリングキィとは
フルートのパーツの名称
フルートにはは頭部菅・胴部管・足部管があります。
収納するときはこの3つに分かれるので、コンパクトになります。
一つずつ見て行きましょう。
頭部管
口を当てる部分がある管です。
頭部管だけでも音を鳴らすことができます。
初めてフルートを吹く時は、まず頭部管だけで音を鳴らす練習をしましょう。
頭部管は音色にとても影響力のあるパーツです。
フルートをすべて買い替えるのではなく、頭部管だけ買い替えても音色が全く変わります。
私も、現在使っているフルートに物足りなくなった時、すべて買い替えるのは難しかったので、頭部管だけを探したことがあります。
幸い、好みの音色が出せる頭部管が見つかったので、今はそちらを使って演奏しています。
その音色の変化は、音楽経験のない夫が「今までのは壊れてたの?」というほど。
フルートの音に慣れていない人が聞いても分かるぐらいに明るい華やいだ音になりました。
将来、フルートの買い替えをしたい、でもお財布事情が・・・という時は、頭部管のみ買い替えもできるということも、頭の隅に置いておいてくださいね。
ヘッドキャップ(スクリュー)
先端に付いている蓋のようなものです。
管の方からのぞくと金属の板が見えますが、それが「反射板」と呼ばれるものです。
反射板とヘッドキャップの間にはコルクが入っています。
このコルクは長年使っていると緩んできてしまうので、時々チェックが必要です。
チェックの方法は簡単。
クリーニングロッドの穴の開いてない方を管の中に入れ、歌口からのぞき込んで中央に線が来ているかを見ます。
片づけるついでに週に1回ぐらい見てみると良いですね。
線の場所を確認するときは、両方向から見てください。
例えば、クリーニングロッドが出ている方が右になるように持って見たなら、くるっと左右を回して逆方向からも見てみてください。
片方側からだけ見るとずれているように見えても、逆方向からみるとずれていないことがあるんです。
この線が中央からずれていたら、音程がずれてしまうので、楽器屋さんに持って行ってコルクの交換をお願いしましょう。
演奏時間にもよりますが、趣味で吹く程度なら毎日吹いても2、3年は大丈夫だと思います。
私は約30年の間、(あまり吹かない期間もありましたが)2回の交換をしました。
コルクの場所がずれていることによる音程の差は自分ではなかなかわからないので、チェックするように心がけてみてくださいね。
リッププレート
リッププレートに唇を当てて吹きます。
穴をすべて塞ぐのではなく、約4分の1を塞ぐイメージです。
穴の縁(エッジ)に息をぶつけるのですが、吹いた息の約半分は外に出ていくと言われています。
演奏時の口の形は人それぞれなので、自分が安定して力まずに良い音が出るポイントを探す必要があります。
フルートの音をすぐ鳴らせる人と鳴らせない人がいますが、練習すれば鳴るようになるので心配しなくても大丈夫です。
なぜなら、私も最初からは音が出なかったからです。
初めてフルートを吹いたのは、中学生の時。
「カス―」と見事に出ませんでしたね。
その後、吹奏楽部の先輩に教わりながらなんとか音が出てからが長かった!
頭部管だけでリズム練習3カ月。
それだけすれば音も出るようになりますよ。
でも、3カ月もしなくても良いと思います。
あの期間は時間がたっぷりとれる中学生の部活だったからできたことだと、今となっては思います。
胴部管(主管)
キィがたくさんついている部分です。
フルートを組み立てるときや分解するときに、キィの上からぎゅっと持たないように注意が必要です。
キィはとても繊細なので、力を入れると歪んでしまいます。
何もついていない管だけの部分を持って取り外しするようにして下さいね。
足部管
フルートを構えたときに右手の小指で操作する部分です。
小指でキィを操作するなんて難しそう!と思ってしまいますが、大丈夫。
小さいキィは最低音の二つにだけ使いますが、曲ではほとんど出てきません。
胴部管と同様、組み立て時にキィの上を持たないように気を付けましょう。
たまに、古い楽器を使っていると、胴部管と足部管のつなぎ目の部分がゆるゆるになってしまって、少し振るとすぽっと抜けてしまうことがあります。
私も、最初は手入れもされていない古い楽器を使っていたので、接続部分が緩くて不安定なことがありました。
そんな時は調整をしてくれる楽器屋さんへ持って行きましょう。
管の太さを調節して、ピッタリ合うようにしてくれます。
管の太さなんて治らないと思い込んでいましたが、できるものなんですよね。
ですので、「なんかおかしいな」「使いにくいな」と思ったら、楽器屋さんなどのリペアー担当の人に相談すると良いですよ。
タンポ
キィの裏側の黄色っぽい所を「タンポ」と呼びます。
柔らかいフェルトのようなものを薄い膜が覆っています。
このタンポは音を出す上でとても重要!
タンポと穴(トーンホール)の間に少しでも隙間が空いていると、音が出なくなってしまいます。
普段のお手入れでクリーニングペーパーを使いますが、その時も注意が必要です。
キィが閉じた状態でクリーニングペーパーを引き抜いてはいけません。
タンポが傷ついて、隙間が空きやすくなってしまいます。
経年劣化するので音の出が悪いなと思ったら、楽器屋さんに調整に出しましょう。
タンポはキィの裏側についているので、状態悪化に気づくのが遅れがちです。
時々はチェックしてみてくださいね。
フェルト(のようなもの)を覆っている膜はとても薄いので、クロスでこすれて少し擦り切れてしまうこともあります。
そうすると、空気が漏れて、「なんか音出にくい」状態になってしまうので、注意が必要ですよ。
フルートのキィの並び方
キィの並び方には「オフセット」と「インライン」の2種類があります。
オフセット
「オフセット」とは、胴部管の中央、左手の薬指を置くキィと右手の人差し指を置くキィが少し外側に配置されているもののことをいいます。
このような配置にすることで、よりキィを押さえやすくしています。
女性や子供など、手が小さい場合はオフセットの楽器を選ぶと良いですね。
「手が小さい」ってどれぐらいよ!って思うかもしれません。
小学校の中学年~高学年ぐらいの手の大きさでしょうか。
そういえば、最近小学4年生の子供と手の大きさを比べたらほぼ同じになっていました・・・。
指の長さなど、個人差があるので一概には言えませんが、私の場合は、手首の線から中指の先まで16㎝です。
これは小さいほうだと思います。
同年代で私より手が小さい人は一人ぐらいしか会ったことがないので。
人によってサイズは違うので、楽器を選ぶときは実際に持ってみることを強くお勧めします。
出来れば試し吹きもしたいところですが、初心者さんには難しいと思うので、吹ける人と一緒に行くか、お店の人に吹いてもらうという手もあります。
レッスンに通う場合は、購入前に先生に相談すると良いですね。
アドバイスを下さったり、候補の楽器をいくつか挙げてくださると思いますよ。
インライン
オフセットで少し外側に配置されていたキィですが、インラインでは他のキィと同じラインに配置されています。
オフセットの配置で慣れていると、インラインのフルートを吹きこなすのに時間がかかるかもしれません。
見た目がスッキリとするので、人気のタイプのようです。
フルートのEメカ(Eメカニズム)
Eとは「ミ」の音を指します。
フルートでは、楽器の特性上、高い「ミ」の音は安定しにくいと言われています。
その「ミ」の音を安定させるために「Eメカ(Eメカニズム)」という機構が付けられています。
私が使っている楽器もEメカは付いていますが、それでも安定しにくい(音程が高くなりやすい)です。
「ミは音程が高くなりやすい」と分かっているので、演奏しながら唇の角度を調整して少し低く吹いています。
これでEメカが付いていなかったら調整しきれないかもしれません。
そう。
フルートは、正しい運指をすれば正しい音が鳴るわけではないんです!
チューニング(音を合わせる事)は中音域の「ラ」でしますが、そのまま吹いてもどうしても低くなってしまったり、高くなってしまう音があります。
特に初心者さんの場合は、低音域は低く、高音域は高くなりがちです。
これは、腹式呼吸と息のコントロールを意識して、チューナーも活用しながら練習すると改善されていきます。
それでも楽器の特性上低い、高い音はやはり存在しますが、練習を重ねると、自然に正しい音が鳴るように調整しながら吹けるようになりますよ。
フルートのキィの種類
キィには2種類あります。
カバードキィとリングキィです。
それぞれ見てみましょう。
カバードキィ
「カバードキィ」とは、画像のようにキィに穴が開いていないものです。
キィを押さえるときには、指がキィの真ん中を押さえていることが理想ですが、カバードキィなら、多少ずれていても穴をふさぐことができます。
初心者さんや手が小さめの人はカバードキィを選ぶと良いですね。
リングキィ
リングキィは画像のように指で押さえるところに穴が開いてるものです。
正確に穴をふさがないと音が出ないので、慣れるまでは苦労するかもしれません。
でも、リングキィでしか出せないニュアンスや、特殊な奏法(近代音楽)もあるようです。
正確にキィを押さえないと音が出ないので、強制的に正しい持ち方になります。
最初のうちは、なかなか音が鳴らないと思いますが、リングキィの穴にはめて練習を補助するグッズなどもあるので、徐々に慣れていくでしょう。
まとめ
フルートに関するパーツの名称や、仕組みの名前を見てきました。
初心者さんが初めてフルートを買うなら
- オフセット
- Eメカ
- カバードキィ
の楽器を選ぶと良いですね。
パーツの名称も、この記事に載っているものを把握していれば困ることはないと思います。
フルートを選ぶ際の参考になれば幸いです。
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