フルートを吹くと酸欠になる!たくさん息を吸っているつもりなのに!
フルート初心者さんあるあるですね。
ここでは、なぜ酸欠になるのか?どうすれば解消されるのか?を見てみましょう。
- フルートを吹くとなぜ酸欠になるのか
- フルートを吹いても酸欠にならない方法3選
フルートを吹くとなぜ酸欠になるのか
フルートは優雅な演奏する姿と対照的に、息をたくさん使う楽器です。
息の量だけ見れば金管楽器で一番大きいチューバ(上の画像の楽器)と同じぐらいだとも言われています。
フルートはあんなに細い管をしているのに、どこに息を使うの?と不思議に思いますよね。
フルートを吹く時は、吐く息の半分ぐらいが外に出て行ってしまうのです。
上手く音が鳴るポイントに適切な量の息を当てれば、めまいがするようなことはありません。
ただ、初心者さんは、効率的な息の使い方をできず、ついつい息をたくさん出そうと、「吸いすぎて」しまうようです。
「吸いすぎて」酸欠?
どうして息を吸っているのに酸欠になるのでしょうか?
それは、息を「吐ききっていないから」です。
息を吐ききっていないと、酸素濃度の低い空気が肺と気管に残っています。
その状態で空気を吸うとどうなるのでしょう?
気管に残っていた酸素濃度が低い空気が再び肺に戻り、残りの部分にしか新鮮な空気が入らない、ということになります。
これではいくら息を吸っても酸素濃度の高い新鮮な空気を取り込めません。
その結果、めまいがする、頭がクラクラする、曲を吹いても息が続かない、といったいわば「酸欠」の状態になるということになります。
※「酸欠」とは「酸素欠乏症」の略で、空気中の酸素濃度が18%未満の空気を吸い込んだ時に起こる疾病です。フルートを吹いたときに起こる「酸欠」とは意味が違いますが、楽器を吹いてクラクラすることを便宜的に「酸欠になった」などと言うようですね。
フルートを吹いても酸欠にならない方法
では、フルートを吹いても酸欠にならないためにはどうすれば良いのでしょうか?
それは
- 音が鳴るポイントに息を当てる
- 息を吐ききってから吸う
- 腹式呼吸をしっかりする
ということに注意すれば良いでしょう。
音が鳴るポイントに息を当てる
フルートは歌口(口を当てるところ)の穴の縁に息を当てて音を出します。
息を当てる場所は1cmにも満たない幅です。
初心者さんは、とにかく音を出そうとたくさん息を吹き込んでしまいますが、音が出るポイントに息が当たればそんなにたくさんの息は必要ありません。
なるべく細く息を出すように意識してみましょう。
口の前に小指を立てて、楽器を構えずにフルートを吹く口で息を出してみてください。
その小指を横にずらしたら息が当たらなくなるぐらいの幅で息を出します。
息を吐ききってから吸う
曲を吹いている時に、まだ肺の中に酸素が残っているのにブレス(息を吸うこと)をしてしまうと、どんどん肺に空気が溜って行ってしまいます。
肺に空気がまだある状態だと、さらに吸うことはできません。
息を吐き出しきってからブレスするようにしましょう。
曲の中でブレスするときは、自分が今から吹くフレーズ(旋律の区切り)にどれぐらいの息の量が必要か判断し、それに合った息を吸うことになります。
頭で考えると難しそうですが、フルートを吹くうちに自然とできるようになりますので、心配しなくて大丈夫ですよ。
腹式呼吸をしっかりする
普段は呼吸をすると肩が上下する胸式呼吸ですが、楽器を吹く時は腹式呼吸にしなければなりません。
どんな管楽器でも腹式呼吸で演奏するのが基本中の基本です。
腹式呼吸をすることで、長く安定した息を出せるようになり、酸欠のような症状になることも減りますよ。
腹式呼吸とは
腹式呼吸とは、簡単に言うと呼吸をする時にお腹が動くようにすることです。
吸った空気はお腹に入るわけではありません。
もちろん肺に入ります。
ではなぜお腹が動くのか?
それは「横隔膜」が関係しています。
横隔膜は肺と肝臓の間にある膜のようなもののことです。
この横隔膜を下げるように意識をすると肺に空気が入りやすくなります。
横隔膜を下げるなんてどうやってするの?!と思いますよね。
あまり難しく考えずに、
息を吸う時はおへその下(丹田)に入れるイメージで吸う
息を吐く時は、すべての空気を吐ききるようにイメージする
これだけです。
曲中では10秒以上も息を吐き続け、一瞬で息を吸う、ということもよくあります。
息を吐ききると、短い時間で新鮮な空気をたくさん吸えます。
そして、安定して息を長く吐け、楽器を演奏するのに適した呼吸になるのです。
腹式呼吸でフルートを吹くためのポイント
フルートを吹く時に「腹式呼吸」を意識していると、自分がどう息をしているのかよくわからなくなってしまうこともありますね。
そのため、腹式呼吸でフルートを吹く時には、下記のことに注意してみましょう。
- 胸からではなく、お腹から息を出すイメージ
- 自分が舞台に立っていて、一番後ろの人に聞こえる音を出すイメージ
- 喉を締めずにたっぷりと息を通すイメージ
いずれの場合も、自分の耳でしっかり音を聞いてください。
息を気にしすぎて吹いた音と、舞台から一番後ろの座席まで響かそうとイメージして吹いた音だと、全く違う音が鳴ります。
音が違うことに気づけたなら、上達は一層早まります。
もし今は違いが分からなくでも、耳で聞くことを意識して練習を続けていればきっと分かるようになるでしょう。
まとめ
フルートを吹いても酸欠にならない方法を見てきました。
- 音が鳴るポイントに息を当てる
- 息を吐ききってから吸う
- 腹式呼吸をしっかりする
これらを意識して、フルートを練習していくうちにいつの間にか酸欠にならなくなりますよ。
フルートを始めて最初の内はクラクラして危ないかもしれないので、心配な場合は椅子に座って練習しましょうね。
酸欠にならなくなれば、楽しく曲を演奏できます。
練習を応援しています。
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