「フルートも買ったし、練習するぞ!まずは組み立てよう!」
ちょっと待ってください!
フルートの練習は、まず頭部管だけで行います。
初めてフルートを吹くと、音が出ないことが多いからです。
まずは、頭部管で音の出し方をマスターしましょう。
この記事では、音の出し方について詳しく見て行きます。
- フルートで音を出すために頭部管だけで練習する方法
- 唇の当て方
- 息をコントロールする方法
フルートの練習はまず頭部管だけで!
せっかくフルートを買ったのだから、早く組み立てて吹いてみたい!
その気持ちは良く分かります。
でもまずは頭部管(上図参照)だけで練習する必要があるのです。
その理由は
- 息のコントロールのため
- 組み立てて練習するとすぐ疲れるため
という事が挙げられます。
息のコントロールのため
フルートはそもそも音を出すのが難しいと言われる楽器。
しかも、吹き込んだ息の半分は外に出てしまうので、息のコントロールができないと、すぐに酸欠になってしまいます。
まずは、頭部管だけで音の出し方と息のコントロールをマスターしましょう。
遠回りのように感じますが、上達のためにはここをしっかりすることが近道です。
組み立てて練習するとすぐ疲れる
フルートを演奏する姿勢は、普段の生活ではしない不自然なものです。
試しに楽器なしでフルートを構えるように両腕を右の方に持ってきて、肩の高さ位でキープしてみてください。
・・・疲れますね?
すぐに腕が辛くなってくると思います。
ここにフルート本体の重さが加わってくるのです。
まだ音を出せないうちに、フルートを構えてしまうと、腕の辛さに意識が行ってしまって音を出すことに集中できません。
腕が辛い、音が出ない、もういいや、と挫折の原因にもなってしまいます。
ですから、最初はちょっと我慢して頭部管だけで練習しましょうね。
私も、中学生で初めてフルートを始めた時、頭部管だけで3カ月練習しました。
一緒に入った他の楽器の子たちが運指の練習に入る中、頭部管だけでロングトーンや、冊子1冊分のタンギングの練習をしたのです。
こんなに、ここで時間をかけるべきなのか?と当時は思いましたが、息のコントロールなどをしっかり練習できたなと思います。
フルートのパーツに関する記事はこちらをご確認くださいね。
Eメカ?オフセット?フルートのパーツや仕組みの名称をご紹介します!
唇の当て方
まず、一般的に言われている唇の当て方は下記です。
- 下唇をフルートのリッププレートの手前に当てる
- 歌口の4分の1ぐらいが隠れる程度に唇を乗せる
- 口角を少し上げるように唇を横に引く
- 息をまっすぐに出す
これで分かる場合は良いでしょう。
音が出たらラッキーです。
でも、私はこれでは分かりませんでした。
下唇の厚さは人それぞれでしょ?
歌口の4分の1なんて、どうやって確認するの?
鏡で毎回見てやってたらできるようになるの?
なんて思っていました。
そこで、もっと実用的な唇の当て方をお伝えしたいと思います。
- 下唇のしわを延ばすように唇を「い」の形にして唇を閉じる
- 唇の形をキープしたまま、唇の中央、上唇と下唇の境目が歌口の中央にくるように全部当てる(唇で穴を全部塞ぐ)
- 頭部管を外側に90度弱くるっと回す
- 冷たい息を吐く
一つずつ詳しく説明していきますね。
下唇のしわを延ばすように唇を「い」の形にして唇を閉じる
リッププレートに下唇を当てるときに、しわがある=唇に弾力がある状態になります。
例えば「う」の口の形をした時と、「い」の口の形をした時だと、「い」の方が唇に触ると硬いですよね。
「う」の唇の形だと、ちょっとふわふわしています。
もし、「う」の唇の形でフルートを当ててしまうと、ふわふわ=弾力があるので、フルートが安定しません。
フルートが安定しないと吹けませんね。
ですので「い」の形の方が適しているということになります。
「い」の口をするときに、あまり力を入れないようにしてくださいね。
少し微笑むぐらいの気持ちの「い」がちょうど良いと思います。
唇の形をキープしたまま、唇の中央、上唇と下唇の境目が歌口の中央にくるように全部当てる(唇で穴を全部塞ぐ)
「歌口の4分の1を塞ぐように下唇を当てる」と言われても、ピンときませんね。
ですので、唇の形をキープしたまま、穴を全部塞ぐように歌口を唇に当ててください。
画像のようになります。
人によってこの位置は上下しますが、まずは中央に当てて試してみましょう。
頭部菅を外側に90度弱くるっと回す
歌口を唇で塞いだら、今度は頭部管を外側にクルッと回します。
だいたい90度ぐらいでしょうか。
この角度も良い音が出る位置を探さなくてはなりませんが、まずは90度でやってみましょう。
唇の形はキープしたままです。
冷たい息を吐く
最後に、冷たい息を吐くイメージで息を出してみて下さい。
フルートはエッジ(歌口の穴の縁)に息を当てなければ音が出ません。
幅は1cmにも満たない大きさです。
そこに当てるには細く息を出さなければなりませんが、どうやるのかイメージがつきにくいですよね。
そこで冷たい息です。
暖かい息のイメージだと、息を出す幅が大きくなってしまいます。
低音域では暖かい息を使うのですが、頭部管を鳴らすのには向きません。
紙の上のインクを乾かすようなイメージで冷たい息を出してみましょう。
よく「まっすぐ息を出す」と表現されますが、顔の真正面よりはやや下に向かって出すぐらいですね。
ここで音が出なければ、唇の位置を少し上、もしくは下に動かしてみて下さい。
音が出るポイントを探すのです。
音が出るポイントを見つけたら、そのまま頭部管を唇から離さずに、今度は内側に向かってクルッと回してみてください。
そして、唇で歌口を塞ぐように当てるとどの位置になるかを確認し、唇へのエッジの当たり具合を覚えるようにします。
一度では覚えられませんので、覚えられるまでこの手順をくりかえします。
自分が音を出せるポイントを探し、その場所に当てるには2.の時にどう唇を当てるかを探るのです。
そのうち自分のベストポジションに唇をすぐに当てられるようになりますよ。
フルートを吹くための息のコントロール
フルートを吹きこなすためには、息のコントロールが不可欠です。
詳しく見て行きましょう。
ロングトーンをする
音が出るようになったらロングトーンをしてみましょう。
メトロノームは60の速さにセットします。
4拍吹き続けた後4拍休む、を繰り返します。
4拍ロングトーンをする時には、図のように「1、2、3、4」で切るのではなく、「5」の直前まで伸ばすようにしましょう。
段々伸ばしていって、
8拍吹き続けた後4拍休む
ができると良いですね。
頭部管だけで練習している間は5分ぐらいできると良いと思います。
ロングトーンは基礎の練習。
フルートを組み立てて吹くようになっても、練習の最初にロングトーンをすると、音色がよくなります。
高い音も出してみる
実は頭部管だけで、2つの音が出ます。
メーカーや型番によって頭部管の長さは違うので「この音が出る」とは言えませんが、オクターブ違いの音は出ます。
冷たい息を出して中音域の音が出たら、もっと冷たく速い息で吹くと、その高音域の音が出るのです。
フルートは同じ指使いでオクターブ違いの音を鳴らす楽器ですので、頭部管だけでその練習もしましょう。
高い音を出すには
- より速いスピードで
- より細く息を出し
- 唇に力を入れすぎない
事が大切です。
まとめ
フルートの音の出し方についてみてきました。
初めてフルートを吹く時は頭部管だけで練習することが大切でしたね。
- 下唇のしわを延ばすように唇を「い」の形にして唇を閉じる
- 唇の形をキープしたまま、唇の中央、上唇と下唇の境目が歌口の中央にくるように全部当てる(唇で穴を全部塞ぐ)
- 頭部管を外側に90度弱くるっと回す
- 冷たい息を吐く
の順で、音が出るポイントを探してみて下さい。
音が出たら次は息のコントロール。
ロングトーンと高音を鳴らすことが練習になります。
どちらも地道な練習でつまらなく感じてしまうかもしれませんが、良い音を出すためには基礎が大切なので頑張りましょう。
この記事が音の出し方と息のコントロールの参考になれば幸いです。
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