フルートに興味を持ったあなた!
フルートについてどれぐらいご存じでしょうか?
銀色の横笛・・・?
フルートには様々な魅力があるんです。
今回はフルートについて調べてみました。
フルートに付いて詳しくなることで、新たな魅力を発見するかもしれませんよ。
- フルートの名前の由来
- フルートの種類
- フルートの重さと長さ
- フルートは木管楽器
- フルートで出せる音域
- フルートで演奏できるジャンル
フルートの名前の由来
っまずはフルートの語源について調べてみました。
語源はラテン語の「Flatus(=息、息吹)」だそうです。
「フルート」と聞くと、私たち日本人は「銀色で横笛のあのフルート」を想像しますね。
でも、「フルート」はもともと「笛全般」を意味していました。
「フルート=横笛」ではない、と私が知ったエピソードを紹介しますね。
フランス語を習っていた時のことです。
自分の趣味をフランス語で言う、という授業で「フルート」を使ったところ、先生は縦笛(リコーダーなど)を吹くような真似をしました。
それに対して、横笛を構える真似をしたところ、「あー! Flûte traversièr(フルート トラバルセーユ=横笛)!」と言われました。
フルートはてっきり横笛のことを指すと思っていたので、驚きました。
試しに「フルート」の画像を検索してみると、縦笛の画像も一緒に検索結果に挙がってきます。
「フルート=横笛」は世界共通の認識ではないようです。
フルートの種類
フルートには実は10以上も種類があるのです。
コンサート・フルート
よく目にするのは「コンサート・フルート」と呼ばれるものです。
一般的に「フルート」というと、「コンサート・フルート」のことを指しています。
「コンサート・フルート」は「C管(しーかん)」と「H管(はーかん)」に分かれます。
これは、最低音が「C(=ド)」まで出るか、「H(=シ)」まで出るかの違いです。
「シ」まで出る「H管」は、「C管」よりも一つキイが多く付いており、その分本体も長くなります。
少し重量が増しますが、H管の方が音が安定しやすいと言われています。
でも、最低音の「シ」まで出てくる曲はほとんどないので、初心者さんは「C管」を選んで大丈夫です。
10年以上オーケストラに所属していますが、最低音の「シ」が出てきたのは一度だけです。
大学生の時、先輩の演奏する曲に最低音の「シ」が出てきました。
その時のフルートパートの持つ楽器はC管のみだったので、応急処置で対応していました。
どうしたと思いますか?
なんと、その最低音の「シ」のところだけ、テレホンカードを筒にしてフルートに突っ込み、「ド」の指使いで「シ」が鳴るようにしたのです。
もちろん、事前にテレホンカードのどのあたりまで突っ込めば「シ」の音が鳴るか、確認して、印をつけていましたよ。
オーケストラの曲でも、出てくることのほとんどない最低音「シ」。
個人で演奏する曲や、吹奏楽部の曲にはまず出てこないでしょう。
ピッコロ
吹奏楽部やオーケストラでは、時々、形はフルートに似ているのに、フルートよりも小さく、高い音を奏でる「ピッコロ」を見たことがあるかもしれません。
「ピッコロ」はフルートよりも1オクターブ高い音が鳴ります。
練習していると、自分で吹いているのに耳が「キーン」となるほどに高音です。
吹奏楽部やオーケストラでは、フルート奏者が兼任で吹き、私も何度も吹いたことがあります。
その音色はとても高く、小鳥や口笛を表すのに使われることが多いですね。
有名な曲だと「口笛吹と犬」があります。
1曲を通してずっとピッコロのソロのような曲で、口笛を楽しく吹いているように聞こえます。
私も子どもたち向けの演奏会で演奏したことがありますが、軽快なテンポで覚えやすく、すぐに口ずさんでくれていました。
ちなみにこの曲の最後には「犬の鳴き声を入れる」という指示があります。
演奏する前に「どこかで犬の鳴き声がするからよーく聞いていてね」と声をかけると、子どもたちは真剣に耳を澄まして聞いてくれていました。
演奏会では犬の鳴き声は舞台袖で音源をタイミングよく鳴らしましたが、オーケストラなどで演奏する場合は、団員の何人かが犬の鳴きまねをする、という方法もあるようです。
もしこの曲を聴いてみたいと思った方は、そのあたりも注意して聞いてみるとより楽しめるでしょう。
その他
他にも、「アルト・フルート」や「バス・フルート」など、めったに目にしないフルートもあります。
それらはフルートだけで構成される「フルート・オーケストラ」では目にすることがあるかもしれません。
U字に曲がった物や、中には立てて吹くものまであります。
一度目にするとフルートへのイメージがガラガラと崩れていくぐらい、大きいものです。
フルートの重さや長さ
フルートにはたくさんの種類があることが分かりましたが、ここでは「コンサート・フルート」(以後、「フルート」とします)について見ていきます。
長さ だいたい65㎝
重さ 400~500gぐらい(500mlのペットボトル1本分ぐらい)
長さも重さも「だいたい」「ぐらい」と付くのは、材質や「C管」か「H管」か、などの要因によります。
材質は、白銅、洋銀、銀、金、プラチナ、木などがあり、金属の含有量によって重さも値段も変わります。
初心者さんには、白銅や洋銀がおすすめなようです。
ちなみに、フルートは3つに分かれて収納するので、65㎝の状態で持ち運びすることはありません。
幅42㎝のケースに収まるほどです。
フルートは管楽器の中では(ピッコロを除けば)一番小さくて軽い楽器。
持ち運びにも便利ですよ。
管楽器や弦楽器は「持ち運べる」という利点がありますが、「楽器が重いかどうか」「かさばるか」はポイントです。
レッスンに行くにしても、どこかの楽団に所属するにしても、移動は必須。
その時に重かったり、かさばったりするとそれだけでおっくうになってしまいます。
その点フルートは軽くてかさばりにくいので、持ち運びも楽々。
街中でもフルートを持っている人をよく見かけます。
フルートを持ち運ぶケースも、シンプルな黒のケースや、レトロなデザインの皮のケース、楽器を守るハードケースなどたくさんあるので、好みに合わせて選ぶことができますよ。
フルートは木管楽器
フルートの多くは金属製でできていますが、「木管楽器」に分類されています。
「木管楽器」とは「金管楽器以外の管楽器」のこと。
では「金管楽器」とは?
金管楽器=演奏者の唇の振動によって音が鳴る楽器。
材質で木管楽器か金管楽器か分かれているわけではないのです。
では、フルートはどうやって音を出しているのでしょう?
フルートは「エアーリード」で音を鳴らしている楽器
フルートは口を当てるところに穴が開いています。
その穴をすべて塞いでしまうのではなく、穴の縁(エッジ)に息を当てて空気の渦を作ることで音を鳴らします。
これがエアーリードです。
ちなみに他の木管楽器であるオーボエとファゴットはダブルリード(リードが2枚)、クラリネットとサックスはリード(リードが1枚)を使って音を鳴らします。
それらのリードは植物の葦(あし)の仲間からできています。
木(と言ってよいのかは?ですが)を使っているので、木管楽器であると分かりやすいですね。
フルートと同じエアーリードを使って演奏する楽器には、和楽器の尺八などもあります。
「春の海」はもともと箏(こと)と尺八の曲ですが、フルートでも演奏されることが多いですね。
クラシックなイメージの強いフルートですが、「春の海」を聴くと、なんだか和風に聞こえてくるのが面白いところです。
フルートの音域
1オクターブとは「ド~シ」までの12音です。
フルートの音域(音が鳴る範囲)は3オクターブです。
上図の「フルートの音域」と書いてある範囲になります。
最高音は五線譜で言うと、五線よりも上に線が5本引いたところになるほどです。
吹奏楽部やオーケストラでは、メロディやソロを担当することも多く、高音域は目立ちます。
3オクターブもあるので、ポップスなどで気に入った曲を吹きたいと思った時、フルート用の楽譜がなくても、弾き語りの楽譜を見れば大抵吹けます。
もし、元の曲の音域が低すぎる場合は、1オクターブ上げて吹けば演奏できてしまいます。
音色は、それぞれの音域で特色があります。
順番に見て行きましょう。
一番下の1オクターブ(低音域)
暖かく柔らかい音が鳴ります。
息をたくさん使いますが、しっかり響かせることができれば、芯のある深い音色を響かせることができます。
フルートと言えば高音のイメージなので、あまり聞いた事がないかもしれませんが、暖かくて良い音が鳴るんですよ。
フルートのソロの曲ならゴーベールの「シシリエンヌ」。
オーケストラならドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第1楽章の後半。
どちらもクラシックですが、聞きやすいのでぜひ一度聞いてみてくださいね。
低音の「ド・レ・ミ」は吹きにくいので、最初は少し音が鳴らしにくいかもしれません。
それでもめげずに練習すると鳴るようになります。
鳴らしやすい音域ばかりではなく、その下の低音域、その上の高音域と満遍なく練習することで、安定して音を出すことができるようになるのです。
真ん中の1オクターブ(中音域)
比較的鳴らしやすい音域です。
初心者さんはこの音域の曲から練習すると良いでしょう。
フルートらしいキラキラとした音色です。
腹式呼吸や、力を抜くことをそんなに意識しなくても音は出やすいですね。
でもちょっと油断すると、音がひっくり返って高い音が鳴ってしまうので、唇に力を入れすぎないように注意が必要です。
高音の1オクターブ(高音域)
ここの運指は変則的なので、覚えるまでは難しく感じるかもしれません。
高音になればなるほど、スピードの速い息が必要です。
思わず口に力が入ってしまいますが、力が入るときれいに音が鳴りません。
きれいに音が鳴るまで、根気強く練習しましょう。
きちんと鳴らすことができれば、遠くまで届く、透き通った音色になります。
ホイッスルを吹くには、スピードある息が必要なので、イメージがしやすいんです。
口元や胸のあたりからだけで吹こうとすると、つぶれた音になってしまったり、唇が振動してしまいます。
以前一緒にフルートアンサンブルをした、大人になってからフルートを始めた知人も、高音がきれいに鳴らせないと悩んでいました。
一緒に練習する時に、「口や肩、腕に力を入れず、お腹だけに力を入れて、そこから息を出してホイッスルを吹くイメージで」と伝えたところ、すっと高音が出て本人もびっくり!
楽譜を見ながら吹いていると、どうしても指使いや音を何とか出す、という方向に意識が行きがちです。
そんな時は少し落ち着いて、「お腹から息を出す」イメージで吹いてみるといいですよ。
フルートで演奏できるジャンル
フルートと言えばクラシックのイメージがあるかもしれませんね。
でも、フルートが使われているジャンルは広範囲に及びます。
クラシック・ポップス・ジャズ・ボサノヴァ・ロックなどなど。
ジャンルに関係なく演奏できるのです。
自分の好きな曲を吹けば新しい魅力にも出会えますよ。
注意して聴いてみると、アニメのバッグミュージックなどでも使われています。
子供たち向けの演奏会をした時、イントロクイズで誰も当てられなかった問題がありました。
それは、「ドラえもんの次週予告の音楽」。
フルートで吹かれているので、クイズにしてみたのですが、実際のアニメでは音楽に重なってドラえもんが話しているので耳に残らなかったようです。
少し残念。
良かったら聞いてみてくださいね。
まとめ
フルートについて、
- フルートは「縦笛」を指すこともある
- 10種類以上ある
- 長さは約65㎝、重さは約500g(でも収納時は42㎝のケースに収まる)
- 木管楽器である
- 音域は3オクターブ
- 演奏できるジャンルは様々
であることが分かりました。
フルートはどんなジャンルでも演奏できる楽器。
クラシックだけとは言わず、様々なジャンルの音楽を楽しんでいただけたらと思います。
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