フルートのレッスンに通われているなら、発表会があるかもしれませんね。
「どんな曲がいい?」と聞かれて困っていませんか?
まだ初心者なのに吹ける曲はあるの?
どんな曲が発表会向けなの?
そんな疑問を持つあなたに、発表会の曲の選び方を解説します。
きっと楽しく曲選びができるようになりますよ!
- フルート初心者さんが曲を選ぶときのポイント
- フルート初心者さんに!ジャンル別おすすめ曲
初心者さん向けの曲はどうやって選ぶ?
結論から言うと、あなたの好きな曲で大丈夫です!
フルートは3オクターブも音が出るので、たいていの曲は吹きこなせてしまいます。
ポップスでもクラシックでもジャズでもボサノヴァでも、なんでも「音が出ないから無理」ということはありません。
自分の好きな曲を選ぶと
- どんな曲か知っているので多少楽譜が読めなくても吹ける
- 練習のモチベーションがあがる
- 吹いていて楽しい
というメリットだらけ。
少し難しめの曲でも、「好き」という気持ちで頑張れることもありますよ。
ポイント1「難しい」と感じるポイントを理解してそれを避ける
フルートの初心者さんが「この曲は難しい」と感じるポイントはこちらです。
- 音の跳躍が激しい
- テンポが速い
- 使われる音域が広い
- 運指が速い
詳しく見て行きましょう。
音の跳躍が激しい
「音の跳躍が激しい」とは、「音と音の高さが離れている」ことを指します。
例えば低いドの次に1オクターブ高いドがくる音型。
1オクターブも違う音をスムーズに鳴らすには、息のコントロールを上手にしなければなりません。
タンギングであればまだしも、スラーでつながっていたら難易度は上がります。
楽譜で見ると、低い音や高い音が混ざった楽譜出ないものを選ぶと良いですね。
テンポが速い
こちらは楽譜の最初に書いてある「♩=○○」の速度記号を見るとすぐに分かります。
120ぐらいなら歩くテンポなので吹きやすそうですが、16分音符が多用されていると、練習が少し大変かもしれません。
吹きやすい速度で吹けば良いのですが、もともと早いテンポの曲を極端にゆっくりすると曲調も変わってしまいますので、ご注意くださいね。
使われる音域が広い
フルートは低音域・中音域・高音域と3オクターブ鳴らすことができます。
その中でも音が鳴らしやすいのは中音域。
楽譜で見ると、五線譜の真ん中あたりから上です。
初心者さんはそのあたりに音がならんでいるものを選ぶようにすると良いですね。
運指が速い
こちらは楽譜で見ると16分音符が並んでいるものです。
1、2か所だと練習すればできるようになるかと思いますが、あまりにたくさんあると、初心者さんにはまだ難しいかもしれません。
ポイント2 鼻歌で歌いやすい曲を選ぶ
そうは言っても、何も基準がないと選びにくいですね。
そんな時は「鼻歌で歌いやすい曲」を選んでみてください。
なぜなら、鼻歌で歌える曲なら、初心者さんが「難しい」と感じるポイントが少ない可能性が高いからです。
先ほどの難しいと感じるポイントのうち、1~3の特徴を持つ曲を鼻歌で歌うのは難しいので、歌えればフルートでも吹ける!ということになります。
実は、今後どんな曲を演奏するにしろ、「口で歌えないと吹けない」と言われています。
声だと出ない音程がある、ということは別として、です。
速いパッセージや細かい装飾音符など、楽譜で見てフルートで吹こうとすると、運指が上手くいかずにぐちゃぐちゃっとなってしまうことがあるのです。
そんな時は「口で言う」。
例えばテンポが140の曲で、16分音符「ラファレラ」を吹く時。
いくら練習しても指がからまるなあ(うまく運指ができないこと)という時は、口で「ラファレラ」とテンポ通りに言ってみてください。
フルートで吹けないなら、恐らく口でも言えません。
逆に、口で言えたら、フルートでも吹けるようになります。
その音のイメージができるからだと思います。
初心者さんはまだ運指が上手くいかなかったり、高音域や低音域の音が出にくかったりします。
いわば、口で言うのよりもフルートの技術は低い状態です。
だから、初心者さんが曲を選ぶときの基準は「鼻歌」。
口だと歌えちゃいますからね。
口よりちょっとやりにくい「鼻歌」ぐらいがちょうどいいかと思います。
ポイント3「調」はあまり気にしない
初心者さんだと、シャープやフラットがついていない「ハ長調」が良いかな、と思うかもしれません。
確かにハ長調なら覚える運指も少なく分かりやすいのですが、楽譜としては少ない印象です。
シャープやフラットが2つぐらいまでならそんなに難しくないので、苦手意識を持たずに選択肢に入れてみてくださいね。
フルート初心者さん向けおすすめの曲をご紹介
「鼻歌」って言われても曲が思いつかない、ということもあるかと思います。
そんな時のために、各ジャンルで初心者さんにお勧めの曲を挙げてみます。
民謡系なら「アメイジング・グレイス」
音楽の教科書にも載っている「アメイジング・グレイス」。
一度は聞いた事があるのではないかと思います。
ゆったりとしたメロディで、出てくる音も少なく、連なった音が多いので吹きやすいでしょう。
アレンジによって調も様々なので、好みのものを探しやすいかと思います。
クラシックならJ.Sバッハの「メヌエット」
「きらきら星」はちょっと子供っぽすぎる、という時はJ.Sバッハの「メヌエット」はいかがでしょうか。
ピアノの練習曲でも最初の頃に出てきますね。
「レ ソラシドレソ ソ」など、連なった音が多く、跳躍が少ないので吹きやすいです。
メロディがきれいなので、華やかにもなります。
お子さんがなど、近くの人がピアノをされている場合は、左手だけを弾いてもらえばアンサンブルもできちゃいますよ。
映画音楽なら「エーデルワイス」
映画「サウンド・オブ・ミュージック」でも使われた「エーデルワイス」。
少し音の跳躍がありますが、ゆっくりなテンポなので練習すれば何とかなりそうです。
問題はスラーが多いので息が持つかどうかですね。
自分の息が持って、音の跳躍もきれいに吹けるテンポを探しましょう。
こちらも伴奏が簡単なので、ピアノやギターなどとアンサンブルできそうです。
ディズニーなら「ミッキーマウス・マーチ」
誰もが知っている「ミッキーマウス・マーチ」。
音の跳躍もなく、出てくる音も限られています。
タンギングの練習になりそうですね。
吹いているだけでも楽しくなるような曲で、お子さんにも受けが良いです。
ジブリなら「晴れた日に」
魔女の宅急便の「晴れた日に」。
曲名は知らなくても聞けば知っている、という曲ですね。
出てくる音の種類が少なく、ゆったりとしたテンポで跳躍も少ないので吹きやすいです。
スラーだけではなく、後半はタンギングも出てくるので、変化がついて楽しめるでしょう。
ちなみに、フルートで吹くときれいな「いつも何度でも」は、きれいに吹くには意外と難しいです。
音の跳躍もありますし、ブレスも難しく、たくさん音が出てきます。
練習を進めてから取り組んでみましょう。
ジャズなら「ムーンライト・セレナーデ」
初心者さんでもジャズが吹けちゃうんですよ!
だんだん上がっていく音型で、音の跳躍はあまりありません。
音域が上がっていくので、他の曲よりも少し覚えなければいけない運指は増えます。
スラーでつながっていく曲なので、難しいジャズのリズムは吹かなくても大丈夫です。
ピアノ伴奏者がいる場合は、それだけでぐっとジャジーな雰囲気に!
ボサノヴァなら「ワン・ノート・サンバ」
フルートでボサノヴァもおしゃれです。
有名な「イパネマの娘」はリズムや運指が難しく、初心者さんにはちょっと早いかな、という曲ですが、「ワン・ノート・サンバ」なら吹けます!
なぜならほとんどずっと同じ音だから。
その分、タンギングをしっかりしないと、何を吹いているのか分からなくなるのでご注意くださいね。
途中難しいところが出てきますが、少しなのでそこを集中的に練習すれば1曲演奏できるかと思います。
サンバなら「ブラジル」
フルートでサンバ?と思われるかもしれませんが、ぜひ紹介させてください!
「ブラジル」はCMなどでも使われたことがあり、耳にしたことがあるかもしれません。
サンバなのにスラーが多く、音の種類も少ないのでおすすめです。
ピアノ伴奏があると良いですが、リズム楽器があるとより雰囲気が出そうです。
メロディはゆったりしているのに踊りたくなる楽しい曲です。
ポップスなら?
もし、やりたい曲がポップスなら、楽譜を探してみてください。
ピアノの楽譜や、弾き語りの曲でも構いません。
楽譜を見て下記のことを確認してみましょう。
- 音の跳躍が多くないか
- 音域が広くないか(音域が広いといろいろな運指がでてきます)
- 臨時記号や調は吹けそうなものか
歌が入って聞いているのと、フルートで吹くのとではまた雰囲気が違います。
歌詞をあえてフルートの演奏で表現する、というのも楽しいところではありますが、初心者さんにはハードルが高いかもしれません。
有名なフレーズだけ吹くならまだしも、1曲を吹く、ということを考えると、もう少し吹けるようになってからの挑戦でもいいのかなと思います。
意外と吹きやすい!「童謡」
童謡なんて吹くの?と思われるかもしれませんが、メロディが美しいものがあるんです!
例えば「夕焼け小焼け」。
歌ってみても歌いやすく、メロディも美しいです。
少し音の跳躍がありますが「おぼろ月夜」。
音がだんだん高くなっているので、フルートの音色の美しさとよく合います。
季節に合わせて曲を選ぶのも楽しいですね。
まとめ
フルート初心者さんが曲を選ぶときのポイントと、ジャンル別にお勧めの曲をご紹介してきました。
初心者さんはまだ技術が低い状態ではありますが、難しいポイントを外せばできる曲もたくさんあります。
曲を選ぶときは「この曲好き!」という気持ちを大事にしてくださいね。
少し難易度が高めの曲でも、「好き」という気持ちがあれば練習を頑張れます。
練習する時間もきっと楽しくなりますよ。
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